ブロンプトンを日本で買ってカナダ往復

56歳になる今年、クルマから自転車へ移動手段を変えてみました。

この記事の目次

私が住んでいるトロント(カナダ)は、ダウンタウンの場合クルマを持たずに暮らすことは可能です。子供達の教育がほぼ終わりコンパクトに暮らす中、クルマを使う回数が激減。いっぽうで、1日1万歩は歩きたい、とか、少しでも体を動かして健康に保ちたいなどという年相応の気づきも生まれます。クルマに代わる移動手段として何でも「コンパクトなもの、小さいもの好き」の私が関心を持ったのが、折り畳み式という変わったスタイルの自転車。

ブロンプトンとの出会い

昨年春、トロント→ロンドン→ヨークと飛行機と鉄道を使い旅した時、ロンドンで多くの自転車を見かけました。街を颯爽と走るブロンプトン、さらにヨーク駅にあった直営店の前を何度か通りかかった際、旅先だったためにさすがに入ることはしませんでしたが、ショーウインドーに展示されたブロンプトンのコンパクトなデザインが何とも印象的で、ああいうのもいいなと、なんとなく考えていました。

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改めて調べてみると、ウインドーだけ見たヨークのショップは「Cycle Heaven」という名のカフェのあるオシャレなお店。この時はまさかブロンプトンのオーナーになるとは思ってもみませんでした。

http://www.cycle-heaven.co.uk/

購入の検討へ

それから半年以上たち、実際にブロンプトンを間近に見たのは、東京日本橋。ちょうどお店が空いている時間で、スタッフの方から親切な説明を受けることができ、店頭に1台展示してあった売約済みのロー・ラッカー(Raw Lacquer)塗装のブロンプトンを見て、大変気に入ってしまいました。

公式ウエブサイト:http://www.loro.co.jp/shop/lss.html

聞くところによるとこのモデルは、手作業で組み立てられてゆくブロンプトンの中でも仕上がりが綺麗なものに施される特別仕様で、数多くは出回らないものだとか。艶消しラッカー塗装による独特な渋い色合いが、長く乗っていくことを考えると自分に合っていると感じます。

ブロンプトンジャンクション東京へ

数週間後、メガネのことで世話になっている恵比寿「g-room」の店主ユメさんと、代官山にある「ジャンクション東京」というブロンプトン直営店の話になると、「ここを上がったすぐ向こう側ですよ」と言うので、立ち話のあと早速お店に向かうこととしました。

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瀟洒な住宅地の中に、お店はありました。groomから徒歩3分。オオイさんというお店のスタッフの方に、これまた大変丁寧に説明をいただきました。

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色だけでなく種類も様々なモデルの中から自分好みの一台を探し出すというのが、ブロンプトン・オーナーになる入り口の楽しさ。偶然にも、あきらめていたロー・ラッカー塗装車がもう一台、ここにあったのには驚きました。「2015年モデルとして日本にあるモノでは本当に最後の一台」と教えられ、もともとコンパクトな上に2速タイプ(S2L)はクロモリの中では最軽量。トロントで気軽な街走りを考えると、これこそ最適モデルと決心。・オーナーとしての第一歩を踏み出しました。

公式ウエブサイト:http://bromptonjunction.jp/tokyo/

タンブラーサイト:https://bromptonjunctiontokyo.tumblr.com/

購入時に「カナダに持って帰ることが前提」であることを伝えると、飛行機での移動用段ボール箱も用意していただけるとのこと。納車までに整備や手続きなどで1週間ほどかかりましたが、購入を決めた翌週の週末に完ぺきな状態のブロンプトンを手にすることができました。

納車

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納車はシオバラさんに対応していただき、ハンドブックに従いブロンプトンの取り回し方と折りたたみ方の説明を1時間ほどじっくりと受けます。長く安全に使っていくために知っておくべきことがあることが分かったのは、良かったと思います。

ライト、携帯ポンプ、駐輪チェーン、プチ輪行バッグ(黒)に加え、移動時に便利なEasy Wheelも取り付けてもらい、早速バッグに入れ地下鉄輪行となりました。2速モデルは総重量が11キロと軽量であることもあり、持ち運びは苦になりません。

受託手荷物としてカナダへ

住まいのあるトロントへ移動します。エアカナダの規定では、自転車は「スポーツ用手荷物」のカテゴリに入り、下記の「受託手荷物」という方法で、運ぶことができます。


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エアカナダの公式ルール:http://www.aircanada.com/jp/travelinfo/airport/baggage/sports_equip.html


1)有効な航空券を持っていること

2)24時間前までにエアカナダのコールセンターで予約すること

3)自転車は折りたたんだ状態で、タイヤの空気を抜き(電話対応と空港カウンターで2度確認される)、きちんと梱包されていること

4)自転車の総重量は32キロまで、長さ+幅+高さの合計が292cmを満たしていること

5)梱包内には自転車以外の物を入れてはいけない

6)受託手荷物にかかる手数料は50カナダドル。空港でのチェックイン時に現金あるいはクレジットカード払い

7)受託手荷物は、通常の手荷物の一つとしてカウントされる

8)この手続きが、往復必要

このように指定されています。従って、私のブロンプトンはこのルールに従って預け入れることになります。メジャーと旅行用スケールで調べると、下記の通りでした。

重量関係としては、

1)自転車本体:11キロ

2)専用ケース:6.4キロ

3)重量合計:17.4キロ

サイズは、

4)ケースに入れた状態のサイズ:68 x 20 x 34.5 センチ

5)3辺の合計は122.5センチ

事前予約

念のため出発5日前にコールセンターに電話をかけ予約をしました。

1)航空券の予約番号

2)折り畳み自転車を持ってゆくつもりであること

3)自転車は梱包された状態であること

4)上記重量とサイズを問われるので、あらかじめ答えを用意しておくこと

オペレーターからは、

1)受託手荷物のリクエストを予約システムに送信

2)料金は50カナダドルをチェックインカウンターで支払うこと

3)スペースの関係で断る場合もあるので、早めのチェックインを心がけること

こうして、コールセンターとの会話は終わりました。「断ることがある」と聞いてちょっと驚きました。エアカナダの場合、カウンターでのチェックイン終了ぎりぎりに来られると、貨物スペースが一杯になってしまい「断る場合が起きる」のだそうです。予約をしたのに「断る場合がある」、しかも空港のカウンターまで来て断られる状況は多少理不尽な気がしますが、海外旅行の場合早めのチェックインに越したことはないので、アドバイスに従うことにします。

ブロンプトンの梱包

海外旅行のために行うブロンプトンの梱包については、輸入時に使われたオリジナルダンボール箱の再利用が良いというアドバイスを受けました。理由としては、

1)ブロンプトンは意外に頑丈である

2)イギリスから輸入された状態が、手堅い方法である

3)購入者には無料で提供できる

こうしたことがお店側のアドバイスでした。ハードケース購入という選択肢があるもののこの時はあいにく在庫がなく、トロント出発までには間に合いそうもないということだったので、出発3日前に段ボール箱を引き取りに向かいました。

B&W製「Foldon Box」

実際に箱を引き取りにショップに行くと、「実はちょうど入荷したばかりで、これから告知しようと準備していた」というB&W製「Foldon Box」がカウンターの前に置かれていたのを発見。人生で大事なことはタイミングがすべて。せっかく用意していただいたのですが、ダンボール箱はお返しし、一通りの説明を受けた後展示されていたハードケースの購入となりました。

ケースについて:http://bromptonjunction.jp/products/detail.php?product_id=464

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このケースの利点は使用しない時は折り畳めるため小さくしておけること。その都度組み立てる手間はありますが、年に何度も使うことはないわけですから合理的なデザインかもしれませんね。

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素材は2種類で、キャスターがついた土台部分と蓋がABS樹脂、サイドを囲む板は一枚に折り目をつけ、はめ込みで筒のような構造にできるポリプロピレン(PP)。内側にはパッドがついていて、簡単な仕組みですがケースの壁にブロンプトンが直接当たらないようになっていました。

この一枚板のポリプロピレンがちょっと頼りない感じで、しかも折り目がきつくてなかなか長方形の筒にならない。慣れるまで組み立てに苦労します。

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今回はぷち輪バッグにブロンプトンを入れ、さらにハードケースにしまいました。

公式ウエブサイト:http://www.b-w-international.com/product/foldon-box/

エアカナダのチエックイン

いよいよ出発の日。あいにくの大雨だったため、リムジンバスのターミナルまではタクシーで移動。スーツケースと比べてみても、ハードケースは大柄。セダンタイプの通常のタクシーのトランクに収まりません。

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仕方なく運転手さんにお願いして、後部座席に乗せるという解決法を取りました。全行程で振り返ると、ここが一番キツかったかな。ミニバンタイプのタクシーを呼ぶことも検討しましたが、コスト的な問題があり断念。荷物が多い旅行の場合、自宅からターミナルまでどうやって行くかは悩みどころですよね。

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リムジンバスまでくれば、安心。スーツケースと同様に預け入れできますから、ハードケースの便利さが発揮されてきます。キャスターはとても軽快。移動がとてもラクです。

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カウンターでは、事前に自転車を受託手荷物として予約登録してある旨を告げます。あらかじめ聞いていた50カナダドルをクレジットカード払いにしたところ、日本円のレートで4,300円でした。この金額はちょっと高いのではないかな? と多少の不満がありましたが、後に思い直すことになります。

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通常の預け入れ手荷物同様タグを発行し、荷物とチケット両方にタグをつけてチェックイン終了。スーツケースはその場でベルトコンベヤに乗せられますが、自転車は別な場所でのセキュリティー・チェックインとなるため、係の方に連れて行っていただきました。

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自転車は「大型手荷物検査場」という専用のスキャナーがある場所でセキュリティー・チェックを受けることになります。ケースの中には自転車以外のものは入っていない確認後スキャンされ、問題ない旨が告げられ解放。うっかりバッテリー内臓のライトをハンドルにつけたままにしていたりすると、その場で外すように言われるのだと想像します。そうするとケースを開けてブロンプトンを出したりしないといけないですから、面倒なことになります。こうした2段階のチェックインそのものが手間になるため、時間に余裕を見て「早めにチェックインしてほしい」というエアカナダの強目の要望も、理解ができるような気がしました。

乗り込む機体は、ボーイング最新機種ドリームライナー(B787-9)ロングボディー。朝から降っていた雨は、離陸まで止むことはありませんでした。全日空とコードシェア便で、羽田では全日空のクルーが荷物の積み込みなどをやってくれています。

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搭乗は夕方。これから約12時間かけてトロントまで飛んで行きます。到着はトロント時間の夕方になります。

受託手荷物の受け取り方法

トロント到着後の受け取りは税関を抜けターンテーブルのエリアですが、別にある受託手荷物専用のコーナーで受け取ります。

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ターンテーブルのある 階の、税関側の壁を見て「B」という表示が目印。自転車のマークがあるのでわかりやすいです。

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飛行機から降ろされた受託手荷物は、ターンテーブルに回らず直接ここでドロップオフするようで、係員が奥から手で荷物を押している様子が見て取れます。

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しばらく待っていると、見慣れた黒いケースがカーテンから押し出されて出てきました。驚いたことに、見た目で擦り傷一つ付いていません。最初に手数料4,300円は高いかな? と思っていたのですが、どうやらそれは間違いでした。こんなにきれいに運んでくれるのであれば、手数料を払っていいと感じたわけです。

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すべての手荷物を無事受け取り、最後のセキュリティー・チェックポイントを抜けて到着ロビーに出ます。
再びコロコロ引いて行きます。これがホントに助かりました。羽田〜トロント線は直行便でも12時間あまりの長時間フライトですから、疲れた体にスムーズに動くキャスターは大助かりです。

ダウンタウンへ

トロントの場合、空港からダウンタウンへのアクセスはTTC(公共交通機関)、タクシー(あるいはリムジン)、UP Express 鉄道の3種類。

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一人旅の場合は間違いなくここで鉄道を使いますが、今回は荷物が多いのでリムジンを選択。到着ロビー正面を出ると RIMOと書いてあるリムジン乗り場があります。ここでは「コミッショナー」と呼ばれる係員が乗車をさばいてくれますので、荷物の量を見せて指示を待ちます。

空港のリムジンはゆったりしたフルサイズのセダンですが、それでもスーツケースにブロンプトンのケースは乗り切らないので、ミニバンを呼ぶことになりました。ダウンタウンまで71ドル。チップを入れて80ドルというところでしょうか。

自宅に着き、早速ハードケースを開けてブロンプトンを確認。ケースはほぼ無傷で、手荒に扱われた形跡は見当たらないほどでした。

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ブロンプトン本体も、きれいなまま。

まとめ

振り返ってみると、今回はすべてがスムーズに進んだように思えます。飛行機の預け入れ手荷物は、さすがにカナダ直行便の場合紛失するということはないにしても、乗り継ぎがあった場合など特に別な便に乗ってしまう可能性がゼロではありません。今回は羽田発直行便、終着点でピックアップという単純な移動ということもあって出来すぎと思えるほどうまくゆきました。これが乗り継ぎが入りルートが複雑化すると、荷物がどこかへ行ってしまうリスクが増えることを頭にいれておき、自転車と共に旅する場合のプランをシンプルにしておくことを心がけたいと思います。

同じリスク要因として明示されている、「空港カウンターで断られる」という状況。これは言われた通りに早めの予約(今回の場合は5日前)、そしてフライト当日のチェックインも早めにすることで、万が一こういうことが起きた場合に対応できる時間をとっておく必要はあるでしょう。海外の場合特に担当者の裁量に任されている場合が多いため、「一度断られてもあきらめず、何度も理由を変えて交渉する」しかなさそうです。

最後に、ケースが擦り傷一つなかったというのは奇跡的。想像するに、運ぶのにとても便利だったことを考えると、それは空港スタッフも同様。キャスター付きで持ち上げる必要がなく転がせるのは、彼らにとっても「楽な荷物」であったはず。結果的に手元を離れて戻ってくるまで、ブロンプトンを優しく扱ってもらえる環境が整ったと言えそうです。

もちろん利用者としては別料金を払っているので当然といえば当然ですが、大切な荷物を丁寧に扱ってもらったことは感謝したいと思いいます。

トロントから日本へ

今回の投稿の締めくくりは、トロントから日本へ戻る場合について。

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エアカナダは、スマホのアプリが便利。いつものように出発12時間前にオンラインでチェックイン。これを済ませておけば、空港で行列が比較的短いバッグドロップ(預け入れ荷物だけを落とす窓口)だけになります。

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エアカナダは機内手荷物2個、預入荷物も2個。ブロンプトンについては事前にエアカナダのコールセンターに電話を入れておき、アプリの手荷物画面の所で自転車を選択肢が新たに作られていました。

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空港までの交通手段。普段はTTCのバス+UP Expressで空港まで行きますが、荷物の事情が違うのでトランクが普通のタクシーより大きめのリムジンを呼びます。これも専用のアプリで前日に予約を済ませておきます。

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これだけの荷物はトランクにすっぽり。リムジンならではです。料金もタクシーを使った場合とさほど変わらなかったのには驚きました。

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空港に到着後は荷物をカートに乗せ、キオスク(自動チェックイン機)で荷物用のタグをプリントアウトし荷物の取っ手にタグを通し、裏の黄色の部分をはがして接着します。これをやっておかないと、列に並ぶことはできません。

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バッグドロップでスーツケースを降ろし、係員の指示のもと自分でベルトコンベヤに乗せます。この辺はカナダ流。そしてブロンプトンは反対側にあるオーバーサイズの荷物用のエリアへ。ここでもまた自分でベルトコンベヤに乗せます。これで荷物は終了。保安検査場(セキュリティエリア)へ向かいます。カナダの場合特に出国審査はありませんから、パスポートの提示はありません。

羽田では、荷物受け取りの所にいる係員に「自転車があります」と伝えておくと、親切にも持ってきてくれたのには驚きました。大型の荷物は別な受け取り口がありますので、場合によっては自分でそこへ取りに行くと良いと思います。

全体をスムーズに進めるポイントは2つ。アプリを最大限活用することと早めの行動。旅慣れていても余裕を持って、空港には2時間前には着いています。慣れていても、いつどこで何が起きるかはわからない、という心構えが大事だと考えます。

 

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