コンテンツへスキップ

【自作キーボード】iPad Pro でアクリル板のカットデータを作成する方法

パソコンから iPad をメインに使うようになり、「ほぼ」iPad のみの生活が実現できている原因は「アプリの充実ぶり」に尽きると実感しています。今回は、最近作っている自作キーボード用のアクリル板レーザーカットデータをこの iPad のみで作ってみました

このブログの目次
準備するもの
使用するアプリは Graphic for iPad
テンプレートファイルのダウンロード法
ZIP ファイルを iPad 上で展開する法
Graphic アプリの設定法
基板とキースイッチの採寸
カットデータの確認法
ファイルをPDFとして書き出す
発注
完成

準備するもの

始める前に、今回必要となったものをまとめてみました。

基板
iPad
Apple pencil+紙のフィーリングを実現するフィルム
カットデータ作成用アプリ
プリンター
定規(ノギス)

使用するアプリは Graphic for iPad

iPad を開き、データ作成用アプリで作業を開始します。アクリルのカットデータは線を描くことが中心。有料アプリですが、アドビ・イラストレーターと操作感が似ている Graphic はとても使い勝手が良い作りになっています。ちょっとした画像を作るのにも便利で、今回はこれを使うことにしました。

テンプレートファイルのダウンロード法

レーザー加工は emerge+ さんにお願いすることにします。公式サイトには詳しい注文方法の記載がありますので、指示通りにデータを作りますが、スタートはテンプレートのダウンロードから。

サイトのリンクをタップすると、データは Dropbox 上に置いてあることがわかります。このデータを iPad にダウンロードするためには多少手順がかかりますので、以下順を追って書いてみます。

まずはテンプレートが置いてあるページでリンクをクリックすると上記の画面になりますので、「ウエブ版の利用」で継続します。残念ながら iPad 用アプリが入っているとエラーで先に進むことができません。

ファイルは ZIP 形式でまとめられています。保存は、この画面の右上にある三つの点線をタップ。

画面下に保存メニューが出てきますので、「直接ダウンロード」をタップ。

画面が変わり、ダウンロードが完了しました。保存のために、ファイルを開く方法指定します。この場合は「その他」をタップ。

ファイルの保存場所は、iPad 内のファイルシステム(スクリーンショットの3段目のフォルダアイコン)。ここで「ファイルに保存」をタップ。

保存するフォルダを指定し、右上の「追加」タップします。

ZIP ファイルを iPad 上で展開する法

iPad のデスクトップからファイルにアクセスする方法は、上の画面の丸で囲んだアイコンをタップ。

先程保存したフォルダ内を見ると、「zip」というアイコンの A4_Template というファイルが保存されています。これで保存は完了しましたが、次は Graphic アプリで使うことができるように ZIP ファイルを展開します。

まずはこのファイルをタップ。画面に「zip」という空アイコンと、右にファイル名が出てきます。ファイル名の下「内容をプレビュー」をタップ。こうする事で、ファイルを画面上で閲覧できるようになります。

zip は外からは一つに見えますが、内部では複数のファイルが一つにまとめられているので、画面を指でスワイプして中のファイルを順次確認。

今回使うのは、最初に出てくる Adobe Illustrator 形式のテンプレート。画面に表示させた後右上の矢印のアイコンをタップし、「ファイルに保存」をタップ。

「A4_Template」というファイルが2つ上下に並んでいますが、上のファイルが展開が終わった今回使うファイルになります。これでようやく zip ファイルから目的のテンプレートファイルを抜き出すことができました。

パソコンでやったらファイルをダブルクリックしてドラッグ&ドロップで済む作業が iPad のファイルの扱い方だとかなりの工数になってしまいますね。独特のファイルシステムには慣れが必要です。

Graphic アプリの設定

ここまできたら Graphic アプリを開き、「import」→「import from iCloud Drive」→「A4_Template」を順次タップしファイルを アプリ内に取り込みます。

Illustrator 用テンプレートを Graphic アプリで開けて確認。右上のレイヤーアイコンをタップすると、見やすいようにレイヤーが構成されていますのでこれを変えずに作業を始めます。

早速作業ファイルを別名で基板の名前で保存。

テンプレートにデータ作成にあたっての注意事項が書かれています。

アプリの設定に移ります。まずは、アドビ Illustrator で便利なガイドが引けないので、グリッドをガイド代わりにします。定規のアイコンをタップし、「Show Grid」をオンにするとパーツを正確に配置できるようになります。

「Grid Spacing」をタップすると、グリッド単位(ミリ)/グリッド間隔(1ミリ)の変更ができます。これでアプリの準備完了です。

「i」の丸アイコンをタップすると描画線の太さ指定ができるようになるので、最小の 0.1 ポイントへ。

外枠は青/くり抜きは赤線で描きますので、描いた線を選んだ後に左下の色指定アイコンでそれぞれ変更します。

自作キーボード用のアクリル板は色々なパターンがあります。今回作るデータは、もっともシンプルなキースイッチをはめるトッププレートと、基板の下に置くボトムプレート。この2枚で基板を挟んでケースがわりにします。

基板とキースイッチの採寸

まずは定規で基板を外形から正確に採寸します。外形サイズの採寸ができたら、プリントされているキースイッチのガイド線の位置関係も取って行きます。

外形の採寸が終わったらアプリを開き、レイヤーの「outer」を選択して青でベースとなるアクリル板の外形を描いて行きます。

サイズを正確に書くために、右上の定規アイコンを適宜タップして「Size」の数値を確認(直接数値を入力することもできる)。

角を丸くしたいので、

ペンツールとアンカーポイントを操作することができるダイレクト選択ツールを使いながら、角丸を作って行きます。

次に、上面のキースイッチ用プレート作成のため使うスイッチ(Matias)の底面を直接ノギスで計ります。

今回の基板(collide39)は Cherry MX/Alps 共用デザインになっているので、プレートも共用にしておくと後々便利になりそうです。その場合は横幅を Alps、縦幅を Cherry MX で合わせてボックスを書きます。

一個分が描けたらコピーして1列分(3個)を基板で採寸した間隔で配置し、グループ化しておきます。配置をする際には画面を拡大して、正確にグリッド線に乗せるようにします。

C39 は縦に 13 列ありますので、グループ化した列をこれも採寸通りの間隔で配置して行きます。

カットデータの確認法

配置が終わったら、プリンターを使い 100 %サイズで印刷し、紙を直接基板に当て細かなズレを直して行きます。その際にキーキャップの部分を半分に折ると、基板に当てた時のズレがわかりやすくなります。この作業は何度も細かくやる必要があります。

ファイルをPDFとして書き出す

確認が終了したら、<span class=”under”>外形を青/くり抜きが赤になっているかどうかをもう一度確認</span>し、PDF として書き出します。

ファイルを保存したら、「Share」→「Send to App」をタップ。

ファイル形式を選ぶメニューが出てくるので、PDF をタップ。

右上に保存場所を指定するウインドウが出てくるので、「ファイルに保存」を選んで終了です。

発注

データが完成したので、いよいよ発注です。まずは見積もり依頼を emerge+ さんの公式サイトのフォームを使って送ります。事前に素材の材質と色と厚みを決めておく必要があります。データと共に送信すると折り返して見積額がメールで届きますので、問題なければ支払い(PayPal)を済ませます。今回の見積もりは以下の通り。

アクリル蛍光オレンジエッジ3mmA4サイズ:¥972
レーザー加工A4サイズ:¥1,620
小計(税込):¥2,592
送料:¥300(ヤマトネコポス)
お支払い:¥2,892

メールの返信は 72 時間以内、納品は 7 営業日となっていましたが、今回は見積もりからアクリル板が到着するまで 4 営業日で完了しました。

完成

実はアクリル板のどんな材質なのか、特に色について細かなことはわからなかったので、完成品を見るまではわかりませんでした。その点は発注時になかなか迷うところでしょうね。

蛍光アクリルの現物を見ると、思った以上に綺麗な素材で嬉しかったです。サイズもバッチリ。

早速基板に合わせてみましたが、データとしてはきっちりと再現されていていました。iPad のみでデータを作って完成までこぎつけることができたのは、良い経験となりましたが、実際に作ってみるといくつか改良したい部分が出てきたので、新しいアイディアも含めて次回はさらに追加をしてみたいと思います。

最後に、iPad でのデータ作成は、スクリーンを直接指で触れて拡大縮小したりApple pencil で線を引いたりするという、パソコンとはまた違う作業がメインとなります。慣れてくるとマウスよりも直感的で便利。やって行くと、Apple Pencil が不用意に滑って正確に形が描けなくなることが多々あったので、紙に書いているようなフィーリングが得られるフィルムを貼って対処しました。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。